バランスド・スコアカードMB

<特徴>
・Vision、Mission修正を最も重要視
・SDGs対応
・ベンチャー、中小企業のニーズにも対応

<従来のバランスド・スコアカード運用の問題点・注意点>
・導入前段階の企業のミッション、ビジョン、戦略がないと意味がない
・中小企業が導入するハードルが高い(コスト的にも実用的にも)
・数字の方の重要性に気を取られすぎて、本質を見失いがち
・KPIを間違えると形式化する。例えば学習とイノベーションの指標をブレインストーミングの回数に設定して、アウトプットを評価しない、など。
・アウトプットも成果率でカウントしてしまうと、100回に1回の大ヒットを見過ごす可能性がある。従って、指標の設定が非常にセンシティブ
・地球環境など、会社と顧客の外への影響を評価する指標がない

<新しいバランスド・スコアカード(バランスド・スコアカードMB)のポイント>
・会社のミッション(使命)を最重要視する
・コーポレート・カルチャーはミッションと不可分の下部構造
・セクタートライアド(下記参照)の導入
・ミッション(コーポレート・カルチャー含む)とストラテジー、財務KPI(4つの視点)の三つのセクタートライアドがそれぞれ有機的に関連づけられているかをストーリーで評価する
・学習とイノベーションは社内プロセスに。代わって、社会環境の視点を導入
・財務視点以外はミッションや戦略に対してストーリーのあるアクションをしているかを重視。各企業ごとにカスタマイズ

<セクタートライアド>

セクタートライアドのイメージ図

■ビジョンセクター
□ミッション(使命)
・会社の使命、社長の使命は何か。

□ビジョン
・ミッションに紐づいているものか

□コーポレート・カルチャー(企業文化)
・会社のビジネスモデル、どのような社員を採用するかなど
・ミッションを元にした会社の企業文化

■ストラテジー(戦略、戦略マップ)セクター
□ストラテジー(戦略)
・会社のミッションを達成するための大きな枠組
・長期的な戦略

□タクティクス(戦術)
・短期、中長期的な戦略
・四半期ごとに見直す

■ファイナンスセクター(4つの視点、KPI)
※従来のバランスド・スコアカードの要素項目。財務情報を元の数値分析セクター

□財務の視点
・資産(アセット)と人的資源の有効活用を重視
・人的資源の有効活用に人材の適切な配置や採用も含まれる

評価指標
・ROI(マイケル・ポーターは財務情報においてROIを最も評価指標として重要視している)
・ROA(アセットが有効活用されているか)

□顧客・サービスの視点
・どのような付加価値を提供できているか(バリュー)
・マーケティング
・差別化

評価指標
・商品在庫率
・顧客維持率
・顧客シェア

□社内プロセスの視点(組織および学習・イノベーションの視点)
※社内プロセスの中に従来の学習・イノベーションの視点は含める

・実際に戦略目標を達成するために何をするか
・組織力、チームの力で収益をあげられる構造になっているか
・人的評価、役割

評価指標
・社内アンケート
・人事評価

□社会環境(サステイナビリティー評価)の視点
※新規追加

・顧客、社員以外の社会的、人類的、サステイナブルの視点

評価指標
・SDGs環境指標への対応